掃除の時間――今日は職員室に回された。嫌な先生というのは、予想通りツトムのことだった。
私は彼に見つからないように、こそっと掃除をした。ツトム先生のゴミ箱を拾い上げて、ポリ袋に移すと、茶色く日焼けた紙がばらばらと落ちてきた。それには『昭和五十八年』だの『平成七年』だの、『平成二十二年』だのと言った言葉が書いてあった。私はそれをじっくり眺めた。先生の机には鍵が二つ置いてあった。一つにはタグが付いていて、もう一つはむき身の鍵だった。
私はこっそりその二つを重ねてみた。ぴったり合う。同じ鍵だ。キーホルダーのタグを見る。私は息をのんで、そこに書いてある文字を忘れないようにした。忘れられるわけがなかった。なんで? と私は自分に問いかけた。
そこには『別館資料室』と書いてあった。
なぜツトム先生が入る必要があったんだろう? そして、なぜ、年号の札だけ取り出す必要があったんだろう? そしてなぜ捨てるんだろう? 誰も入ったことがないんじゃないのか?
心臓がどくどくと血流を押し出した。頭に血が回っている気は全くしなかった。こめかみのあたりで、血が止まって、そのまま首から下に戻っていく気がした。遠藤君から話しかけられるまで、私はその場から動けなかった。
私は彼に見つからないように、こそっと掃除をした。ツトム先生のゴミ箱を拾い上げて、ポリ袋に移すと、茶色く日焼けた紙がばらばらと落ちてきた。それには『昭和五十八年』だの『平成七年』だの、『平成二十二年』だのと言った言葉が書いてあった。私はそれをじっくり眺めた。先生の机には鍵が二つ置いてあった。一つにはタグが付いていて、もう一つはむき身の鍵だった。
私はこっそりその二つを重ねてみた。ぴったり合う。同じ鍵だ。キーホルダーのタグを見る。私は息をのんで、そこに書いてある文字を忘れないようにした。忘れられるわけがなかった。なんで? と私は自分に問いかけた。
そこには『別館資料室』と書いてあった。
なぜツトム先生が入る必要があったんだろう? そして、なぜ、年号の札だけ取り出す必要があったんだろう? そしてなぜ捨てるんだろう? 誰も入ったことがないんじゃないのか?
心臓がどくどくと血流を押し出した。頭に血が回っている気は全くしなかった。こめかみのあたりで、血が止まって、そのまま首から下に戻っていく気がした。遠藤君から話しかけられるまで、私はその場から動けなかった。