一日経って、騒ぎが収まるかと思ったら、全然そんなことはなかった。何でも、私の町で、小学生の頃に死んだ子供がいるらしく、その子の霊だとかなんとか、クラスメイトが口々に言ってきた。
「ねえねえ、相沢さん。小学校の頃に死んだ友達っている?」
 そうそう、修学旅行の時、目の前のバスが突然ガードレールに突入してクラスメイトが半分亡くなっちゃった。なんて、教室で気軽に言えると思うか? そもそも、そんなエピソードはない。こういう趣旨のことを、うまいこと言い換える。
「えー、いないよ、いないいない。幽霊も、他にも見た人いっぱいいるんでしょ?」
「うん、でも、相沢さんが一番近くで見てて、しかも相沢さんの方を見て燃えた、って話なんだから」
 一日中、こんな話ばっかりだった。