平和な地方の市役所に勤務する寺岡と神崎のもとに、大規模なシンポジウム開催の命令が下った。二人は議論を重ね、シンポジウムを成功させるには地元出身の覆面作家であるフクロウを活用するしかない、という結論に至る。しかし、覆面作家フクロウとは、世間に一切公表していない寺岡のもう一つの姿であった。

 寺岡は、市役所職員としてシンポジウム運営に携わりながら、市役所に正体がバレないように覆面作家フクロウとしてシンポジウム出演を果たすために、ある策を弄することにした。
 一体どのようにして、寺岡は一人二役をこなすこととなるのか。