ローズが沢山の客の会計をしている時、アリムは自分の足である場所へ向かっていた。


それは街の中心地にある、地下街。


なんの変哲もない赤レンガの店に入ると、そこには大きな体でヒゲの生えた男が1人立っていて、そこでありったけの金を支払った。


そして、連れて行かれた先は地下街へ続く長い階段。


すすむにつれて薄暗く、壁に設置されているロウソクの火だけが頼りだった。


昨日、アリムはまたあの魔女に出会った。


そして、自分にこう行ったのだ。


『ローズの母親は、地下街で働いている』と……。


それは、ローズの言っていた通りだった。


ここ地下では、女が体を売る店が並んでいる。


アリムが入ったことは1度もないが、そんな場所があるということは、知っていた。


魔女の言葉が本当かどうか、最初は半信半疑だった。


『どうして、そんな事を知ってる?』


『水晶さ。これにかかれば、見たいものが見える』