洞窟の中に風が吹き込み、ヒューッと冷たい音をたてた。
ローズは対峙している2人の邪魔にならないように、ホワイトの体の影に身を潜めた。
さっきまで眠っていたホワイトも、この緊迫した雰囲気に目を覚まして「キュウ」と、不安そうな鳴き声をあげた。
「大丈夫、大丈夫よ」
囁くようにホワイトへ向けてそう言い、その背中をさすった。
じりじりと距離を縮める2人。
先に手を出したのはザイアックの方だった。
アリムは突き出された拳を屈んでよけて、お腹に一発くらわせる。
「いいぞ!」
ローズは思わず拳を突き上げて喜び、再びホワイトの背中へと身を隠した。
「そんな王子やっつけちゃえ!」
その声援にこたえるように、アリムは何度もパンチをくらわせる。
「どうした? 王子様は剣術に優れていても素手じゃ話になんねぇのか?」
調子に乗ってそんな事を口走り、バランスの崩したザイアックの上に馬乗りになった。
これでもう勝ったも同然だ。
ザイアックの頬に右から、左から、何度も何度も拳を落とす。
ローズは対峙している2人の邪魔にならないように、ホワイトの体の影に身を潜めた。
さっきまで眠っていたホワイトも、この緊迫した雰囲気に目を覚まして「キュウ」と、不安そうな鳴き声をあげた。
「大丈夫、大丈夫よ」
囁くようにホワイトへ向けてそう言い、その背中をさすった。
じりじりと距離を縮める2人。
先に手を出したのはザイアックの方だった。
アリムは突き出された拳を屈んでよけて、お腹に一発くらわせる。
「いいぞ!」
ローズは思わず拳を突き上げて喜び、再びホワイトの背中へと身を隠した。
「そんな王子やっつけちゃえ!」
その声援にこたえるように、アリムは何度もパンチをくらわせる。
「どうした? 王子様は剣術に優れていても素手じゃ話になんねぇのか?」
調子に乗ってそんな事を口走り、バランスの崩したザイアックの上に馬乗りになった。
これでもう勝ったも同然だ。
ザイアックの頬に右から、左から、何度も何度も拳を落とす。