『私が友達と食べたときに見つけたパンケーキ屋なんです。おいしかったから東京に帰ったら誠にも食べさせてあげるねって、約束したんですけど……』
「そっか……東京に帰る途中でバス事故に会ったんだものね、約束は果たせなかったんだ……。じゃあ、どうやってメニューを再現すればいいんだろう……」
ふたりで話していると、腰巻きの黒いエプロンをつけた那岐さんがそばにやってくる。
「なにぶつぶつ言ってんだ」
「あ、那岐さん。実は思い出のパンケーキ、食べる前に美紀さんは事故に遭ってしまったみたいで……。これじゃあメニューを磯部さんに渡しても意味ないですよね?」
「なら、そこの荒井美紀にメニューを渡せ」
那岐さんが目配せすると水月くんは瞬時にその意図を汲んで、メニューを靄の美紀さんに近づけた。 美紀さんが見えない磯部さんは、怪訝そうに私たちの様子を観察している。
「そっか……東京に帰る途中でバス事故に会ったんだものね、約束は果たせなかったんだ……。じゃあ、どうやってメニューを再現すればいいんだろう……」
ふたりで話していると、腰巻きの黒いエプロンをつけた那岐さんがそばにやってくる。
「なにぶつぶつ言ってんだ」
「あ、那岐さん。実は思い出のパンケーキ、食べる前に美紀さんは事故に遭ってしまったみたいで……。これじゃあメニューを磯部さんに渡しても意味ないですよね?」
「なら、そこの荒井美紀にメニューを渡せ」
那岐さんが目配せすると水月くんは瞬時にその意図を汲んで、メニューを靄の美紀さんに近づけた。 美紀さんが見えない磯部さんは、怪訝そうに私たちの様子を観察している。