「ここは幼稚園……いや、動物園か? ほどほどにしねえと、猿轡かませんぞ」

また、那岐さんの目が殺気を放ちながらギラリと光っている。

この人なら、やりかねない!

そんな危機感を覚えた私は那岐さんの腕を引っ張っぱる。

「ほ、ほら、誠さんのところへ行きましょう」

「まだ話は終わってねえぞ」

「これからの話をしましょう? 誠さんに会って、どうやってここに連れてくるかーとか、そういう有意義かつ安全なやつ!」

那岐さんを引きずるようにして、半ば強引に喫茶店の扉へ向かう。

那岐さんは不満げながらも、私の意見に賛成してくれたのか、おとなしくついてきてくれた。



みんなの安堵した顔を見届けて喫茶店を出てきた私たちは、オオちゃんの情報を頼りに東出雲町にある美紀さんの家へとやってきた。

すると、【荒井】の表札のある家の前で、お辞儀をしてこちらへ歩いてくる二十代後半くらいの男性がいた。