「あ……わ、悪い」

自分でもなんでそんなことをしてしまったのか、わからない。

そんなニュアンスの謝罪だった。


「い、いえ……大丈夫ですか? 顔色が……」

「平気だ。それで、死者はなんて?」


那岐さんは額を手で押さえながら、死者を見る。 大丈夫って顔じゃないけど、追及されたくなさそう。

しょうがない、体調がずっと悪そうだったら今度は強制的に休ませよう。

私は気づかないふりをすることに決めて、死者との会話をそのまま伝えた。

事情を知った那岐さんは、「とにかく黄泉喫茶に連れていくぞ」と、そう言ったので、私たちは死者を連れて黄泉喫茶に向かうことになった。

喫茶店に到着すると、私はみんなに事の成り行きを説明する。

みんなの視線に緊張しているのか、死者である彼女は靄の姿のまま、慌てて私の背後に隠れてしまった。