『俺たちは、その生まれ変わりかもしれねえんだよ』
衝撃の事実を聞かされた翌朝。
神様のことは神様に、ということで……事の次第を桃の神様であるオオカムヅミこと、オオちゃんに確認するべく、私は那岐さんと共に黄泉喫茶に来ていた。
「那岐はイザナギの魂、灯はイザナミの魂を持って転生しておる。そのときの魂の記憶をおぬしらは夢に見ていたということじゃ」
オオちゃんは初めから予想していたのか、さほど驚いた様子もなく平然と私と那岐さんが神様の生まれ変わりである事実を肯定する。
思考がいよいよ追いつかなくなって固まっていると、私の顔の前で水月くんが意識確認をするように手を振った。
「じゃあ、那岐が探してた女の子って灯ちゃんだったの?」
そういえば、那岐さんが誰かを探していると水月くんは前々から言っていた。
オオちゃんも出会ってすぐに『おぬし、ときどき変な夢を見たりしないか?』と誰にも話したことがない夢について見抜いていたし、那岐さんは『やっぱりな、会ったことがあるような気がしてた』と、私を知っているような口ぶりをしていた。
幽霊やオオちゃんという神様とほぼ毎日話をしているので、今さらその存在を否定はしないが、これまで普通の人間として生きてきた自分が神様だったなんて言われても誰が信じられようか。