「灯、夢の中で俺にそっくりな男になんて呼ばれてた」

「……あの、信じられないと思うけど……イザナミって。でも、神様の名前で呼ばれてる自分の夢を見るだなんて、おかしいよね」

きっと毎日、黄泉平坂を歩いているせいだと自分に言い聞かせる。なぜだか不安がこみあげてきて、私は那岐さんの目が見れなかった。

「……やっぱりか。お前に懐かしさを感じたのも、気のせいじゃなかったんだな」

「那岐さん、それってどういう……」

「俺は夢の中で、お前にそっくりな女にイザナギって呼ばれてたんだ」

「えっ……!」

那岐さんはふざけているわけではなく、いたって真面目なのが表情から窺える。

「いいか、よく聞け」

目を逸らすことすら許さないとばかりに、顔を那岐さんの両手で固定される。

曇りのないガラス玉のような漆黒の瞳に、自分の顔が映り込む。

それにどぎまぎしていると、那岐さんは信じがたいひと言を放った。

「俺たちは、その生まれ変わりかもしれねえんだよ」