「気になるか」

「……え?」

考えすぎなのだとばかり思っていたオオちゃんの言葉には、やっぱり特別な意味があるのだろうか。

「那岐さんは、なにを知っているんですか?」

「……変な夢を見るって、そう言ってたな」

唐突に話題が変わって、一瞬なんのことか頭に浮かばなかった。

変な夢……それって、私がいつも見る夢のこと? そういえば昨日の夜、打ち明けたんだっけ。

ようやく思い出して頷くと、那岐さんが近づいてきて私の目の前に立った。

那岐さんは月光のせいか、やけに肌が白く透き通っているように見える。

キレイだな……。

素直にそう思っていると、那岐さんは神妙な面持ちで口を開く。

「……あのときは話すか迷ってたんだが、実は俺も物心ついた頃から変な夢を見てた」

「那岐さんも? どんな夢だったんです?」

なにげなく尋ねた私は、次の返答に耳を疑った。

「……岩の向こうにいる、大事な人を探す夢」

「――え?」

「俺はそいつが好きで好きで、追いかけたけど……。取り返しのないことをして、そいつを傷つけた」

「…………」

「俺は夢の中のそいつじゃないけど、でも……あの胸の締めつけられるような思いは確かに感じる。だから、会いたかった」

那岐さんの手が伸びてきて、私の頬をさする。 ふと、目の前の彼が夢の中に出てきた那岐さんにそっくりの男性と重なる。

夢のことといい、まさか……私と同じ夢を那岐さんも見ていたってこと?

もしそうだったとしたら、偶然なんて言葉じゃ片づけられない。