「できあがりました。熱いから気をつけてね」
「ありがとう、灯ちゃん」
水月くんは慣れた様子で、贅沢に三枚も積み重なったふたり分のパンケーキを美紀さんたちのいるテーブルに運ぶ。
「お待たせしました。雪溶けスフレパンケーキです」
まずはいつも通り、生者である磯部さんの前に皿が置かれた。
美紀さんの分のパンケーキが乗ったお皿を手に、水月くんは恒例の説明を始める。
「死者に出された料理は食べてはダメです。あと、料理は一時間以内に食べ終わること。これを破ると磯部さんも呼び出された黄泉の国の人間も一生、このお店から出られなくなっちゃうから、必ず守ってくださいね」
水月くんの忠告にゴクリと喉を鳴らした磯部さんは、慎重に頷く。
それを見届けて、水月くんは「後悔のないようにね」と美紀さんの前にお皿を置いた。
皿がコトリとテーブルにぶつかって音が鳴った瞬間、靄だった美紀さんの身体がレシピに触れたときに見た栗色の髪の女性の姿に早変わりする。
「ありがとう、灯ちゃん」
水月くんは慣れた様子で、贅沢に三枚も積み重なったふたり分のパンケーキを美紀さんたちのいるテーブルに運ぶ。
「お待たせしました。雪溶けスフレパンケーキです」
まずはいつも通り、生者である磯部さんの前に皿が置かれた。
美紀さんの分のパンケーキが乗ったお皿を手に、水月くんは恒例の説明を始める。
「死者に出された料理は食べてはダメです。あと、料理は一時間以内に食べ終わること。これを破ると磯部さんも呼び出された黄泉の国の人間も一生、このお店から出られなくなっちゃうから、必ず守ってくださいね」
水月くんの忠告にゴクリと喉を鳴らした磯部さんは、慎重に頷く。
それを見届けて、水月くんは「後悔のないようにね」と美紀さんの前にお皿を置いた。
皿がコトリとテーブルにぶつかって音が鳴った瞬間、靄だった美紀さんの身体がレシピに触れたときに見た栗色の髪の女性の姿に早変わりする。