「やっぱり、今も昔も夫婦じゃな」
オオちゃんの言葉に私は「昔も?」と首を傾げる。
すると、那岐さんは物凄い剣幕でオオちゃんを睨みつけていた。もはや視線が徹夜で研いだナイフのようだ。
「そ……れくらい、仲がいいってことだぞ!」
明らかに焦っているオオちゃんはキッチン前のカウンター席から一目散に逃げ出し、陽太くんのテーブルの下に隠れる。さながら、避難訓練のようだ。
その様子を不思議に思って眺めていると、那岐さんが私のボールにメレンゲの四分の一を加えた。
「ボケっとすんな」
「あ、すみません。メレンゲは四回に分けて入れるんですね」
「ああ、いっぺんに入れると中身がちゃんと混ざらねえんだよ」
そうしてすべてのメレンゲを投入したところで、那岐さんはフライパンを中火で温め始めた。
私はメレンゲの泡を潰さないようにヘラで切るように四回ほど混ぜると、バターが敷かれたフライパンにこんもりと盛るように生地を乗せた。
「表面がきつね色になるまで三分焼くぞ」
那岐さんはそう言って片面が焼けると裏返して、今度は蓋をしてさらに三分焼く。
その間にお皿をふたつ用意すると、那岐さんがそこに三段重ねにパンケーキを乗せた。
ふたり分合わせて合計六枚のパンケーキができ、私はバターを上に乗せると蜂蜜ポットと合わせてトレイにセットし、水月くんに渡す。
オオちゃんの言葉に私は「昔も?」と首を傾げる。
すると、那岐さんは物凄い剣幕でオオちゃんを睨みつけていた。もはや視線が徹夜で研いだナイフのようだ。
「そ……れくらい、仲がいいってことだぞ!」
明らかに焦っているオオちゃんはキッチン前のカウンター席から一目散に逃げ出し、陽太くんのテーブルの下に隠れる。さながら、避難訓練のようだ。
その様子を不思議に思って眺めていると、那岐さんが私のボールにメレンゲの四分の一を加えた。
「ボケっとすんな」
「あ、すみません。メレンゲは四回に分けて入れるんですね」
「ああ、いっぺんに入れると中身がちゃんと混ざらねえんだよ」
そうしてすべてのメレンゲを投入したところで、那岐さんはフライパンを中火で温め始めた。
私はメレンゲの泡を潰さないようにヘラで切るように四回ほど混ぜると、バターが敷かれたフライパンにこんもりと盛るように生地を乗せた。
「表面がきつね色になるまで三分焼くぞ」
那岐さんはそう言って片面が焼けると裏返して、今度は蓋をしてさらに三分焼く。
その間にお皿をふたつ用意すると、那岐さんがそこに三段重ねにパンケーキを乗せた。
ふたり分合わせて合計六枚のパンケーキができ、私はバターを上に乗せると蜂蜜ポットと合わせてトレイにセットし、水月くんに渡す。