「なあ竹浦、ちょっと座れ」

そう言って近くにベンチに座った先生。


私も並んで座った。


「こんな話をすると、本当に説教くさい教師みたいで嫌なんだが」

わざわざ前置きをして、先生は話し出した。


「俺も中学から高校時代は反抗ばかりしていた。親の言うことも先生の言うこともきかなかった。今のお前と一緒だよ。当時の俺も単位がたらなくて、高校卒業が怪しかった」

へえー。

「おかしいだろう?その俺が教師なんて」

クククッ。

自分で言って、自分で笑ってる。


「でもな、高校3年の時に一大決心をして教師になろうと決めたんだ。それからは必死に勉強して、一浪して大学に入った。正直、両親や兄姉や先生。みんながいてくれたから頑張れた」

すごく懐かしそう。



「先生は幸せなお家に育ったんですね」

嫌みたっぷりに言ってしまった。


「えっ?」

意外そうに私を見る先生。