さほど待つこと無く運ばれてきたラーメンは、期待以上に美味しかった。

空腹のせいもあるとは思うけれど、一緒に食べる人がいるのが大きな理由の気がする。


「お前は何で勉強しないの?」

「嫌いだから」

「そうか?」

「そうよ」


「無理すると、後で後悔するぞ」

なんだか急に説教じみてきた先生。


「英語の成績は凄くいいじゃないか」

何で知ってるのよ。と、目で訴える。

「先生だからな。そのくらいは知っている」

ふーん。

ラーメンをすすりながら、私も考えを巡らせた。


「やっぱりダメです」

「何で?」

「もう卒業できないし」


それが一番。

どんなにがんばっても、残った授業数では単位も出席日数も足りない。


「お前が本気なら、補習をするよ」

ええ?

「なあ、勉強しろ。今しかできないんだから」

一生懸命に言ってもらって、嬉しかった。


私は「考えてみます」と返事をした。