しばらく、山口先生は黙ったままだった。


何度も私の顔を見て、

何か言いたそうにして、でも何も言わなかった。



「もういいよ。クラスに戻りなさい」

そう言ったっきり、机に向いてしまった。


何がもういいの?

何も良くない。

結局、先生も同じなの?

面倒くさそうに見ない振りをして、

私を見捨てるの?


もういい。


「失礼します」

私は指導室を出た。