連れて行かれたのは生徒指導室。

いつも見慣れた先生達は授業に出ていて空席。


私は山口先生の前に立たされた。


「名前」

「竹浦梨華」

「クラスは?」

「3年D組」


「遅刻の理由は?」

「・・・」


理由なんてない。


ここしばらく、登校時間なんて気にしたこともない。

誰も何も言わなかったし。



「理由は?」


私は黙ったまま。



「山口先生、無駄ですよ。その子はまともに登校する気なんてないんです」


たまたま戻ってきた年配の男性教師が言った。