高校の卒業式があったのは3日前だ。私はあまり高校というシステムを好きになれなかったので、卒業はどちらかというと嬉しいイベントだった。

けれどやはり、人と人の別れに寂しさを感じるのだ。

どれだけ意地を張っていても、関わった人たちと離れ離れになるというのは案外くるものがあるらしい。


 ミイがいなくなってしまったと、今でもまだ信じることが出来ないでいる。


ほんの一時間前だ。一日入院して、家に帰ってきた。私と母の顔を見るなり鳴いた。動けない足を必死に動かそうとして。

遠く離れて住んでいる兄が帰ってきてから、ミイは息を引き取った。

元々兄が飼いだした猫だったのだ。もしかしたらミイは、兄の帰りを待っていたのかもしれない。