「そんなの信じられるはずないじゃん……」
「これを見たら納得してくれるか?」

 サワが鞄から取り出したのは、紛れもなくあの時のジッポライターだった。白地に黒の模様。パンダの顔のポップのデザイン。

 安心しろ。サワがわたしの肩を叩いて、あの笑顔を向けてくれる。わたしが独り占めしたかった爽やか過ぎる笑顔が今、わたしの目の前にある。

「お前は罪を犯していない。だから罪の意識なんて全然感じる必要はないんだ」

 体中の力が抜け、わたしはその場で座り込んだ。