「あの日……」
「あの日?」
「駄菓子屋が火事になった日、お前、俺たちの後をつけてきだろ? 放課後に」
ドキリとする。わたしは嫉妬していた。サワのあの爽やか過ぎる笑顔を由麻に取られたと思ったのだ。
「聞いてるかもしれないけど、大学の準備に東京に引っ越すまでの間、伊藤の妹の家庭教師を頼まれてたんだ。一人暮らしをするのに何かとお金が入り用になるし、ちょっとは足しになるかなと思って、家庭教師をすることにしたんだ。で、伊藤の家に行く道すがら、アイスが食べたいっていう話になってコンビニに入って、出てきたところで、突然、伊藤が、いつも俺の隣にいる髪の毛の短い女子生徒がこっちを見てたよって言い出して」
「あの日?」
「駄菓子屋が火事になった日、お前、俺たちの後をつけてきだろ? 放課後に」
ドキリとする。わたしは嫉妬していた。サワのあの爽やか過ぎる笑顔を由麻に取られたと思ったのだ。
「聞いてるかもしれないけど、大学の準備に東京に引っ越すまでの間、伊藤の妹の家庭教師を頼まれてたんだ。一人暮らしをするのに何かとお金が入り用になるし、ちょっとは足しになるかなと思って、家庭教師をすることにしたんだ。で、伊藤の家に行く道すがら、アイスが食べたいっていう話になってコンビニに入って、出てきたところで、突然、伊藤が、いつも俺の隣にいる髪の毛の短い女子生徒がこっちを見てたよって言い出して」