サワにあの晩のことを話した。駄菓子屋の前でジッポライターを拾った。何の気なしに火をつけ、火のついた状態でそのジッポを放置した。その結果、駄菓子屋が火事になって、吉田のお婆ちゃんが死んだ。

 全て――わたしのせいなのだ。

「わたしは人殺しなの。本当はサワと会って、会話なんてする資格がないんだよ」

 背負ってしまった罪を人に話したのは初めだ。少しだけ、本当にほんの少しだけ救われた気がした。

「何、バカなこと言ってるんだよ」
「それが事実だから」
「間違えてるって。お前は火事なんか起こしてないよ」