そんなこんなで高校生活を終え、わたしは大学に進学した。

 未だに自分を責めない日は一日としてない。幾ら当時と外見を変えても、罪から逃げおおせることはないのだと、日々痛感している。

 学校に通って、飲食店でバイトをして、マニキュアとメイクで自分をひた隠し、アクビと他愛もない会話をする。自分のことはほとんど語らない。アクビと一緒にいて楽しいのは、アクビの方からどんどん話をしてくれるからだ。

 でも、今日は違った。ファミレスで向かい合うや否や、谷口健介の名前を出され、早々にわたしは閉口した。この瞬間が、この空間が、わたしを真っ直ぐに射抜くアクビの視線が嫌になり、立ち上がったものの、腕を掴まれてしまった。