ふと足元に何やら光るものが落ちているのに気づいたぼくはその場でしゃがんだ。長さが5、6センチくらい、幅は4センチくらいの薄い箱型の形状のものだ。

 思わず手に取ると、ひんやりと冷たく、見た目よりも重い。顔の前で角度を変える。蓋のある形状。そこでようやくそれがジッポライターだと気づいた。

 シルバーのボディで蛇だとかドクロだとか龍だとか、そういった彫刻が施されているイメージだが、手にしているものは、シルバーではなく白地のボディで、所々黒に塗られている。最初、その模様が何なのか分からなかった。