家に帰るとそのままベッドに潜り込んだ。ぼくはどうしてしまったのだろう。

 由麻のことが気になってたはずなのにサワも二人でいるところを目の当たりにしたら、サワのことばかり考えてしまっている。

 サワは恩人じゃなかったのか? ならばサワの幸せを素直に祝福できない? 

 鬱屈としたまま目を閉じ、枕で顔を覆った。頭の中からサワを追い出そうと躍起になっている間に、現実を遮断したのか、ぼくは意識を失っていた。