サワ、サワ、サワ……。

 胸の奥がシクシクと痛んだ。ぼくの心がサワを欲していた。

 ぼくは一歩、また一歩とサワの元へ近づいていた。サワと由麻との距離が数メートルまで近づいた時、由麻がサワとの距離をグッと縮めたのが分かった。

 抱きついているようにもキスをしているようにも見えた。いや、見えただけで本当のところは分からない。ただ、はっきりしているのは、その瞬間、由麻の目が間違いなくぼくを捉えたということだ。