休み時間のたった１０分間が途方もなく長く感じていて、いつも窒息しそうになっていた。成績も悪くて、授業なんて全然楽しくないのに、それでも担任の先生が教室に入ってきて、クラスメイトたちが各々の机に座る時こそが、一番ホッとできる瞬間だった。

　でも、サワに出会った。サワがぼくに普通の学校生活を与えてくれた。

　他の誰が来なくても休み時間になればサワが来てくれる。よほどぼくとサワとの組み合わせがチグハグなのか、周囲に白い目で見られていたが、ぼくは全然構わなかった。サワも気にする風でもなかったことが、ぼくの心を軽くした。