――嘘つき。

 サワがぼくの学校生活の全てだった。引っ込み思案で、クラスメイトに話しかける勇気も持てないぼくは、休み時間に誰かの机に集まって、ドラマの話やアイドルの話なんかして、和気あいあいと過ごすというごく普通の日々を早々に諦めていた。

 机に座り、誰も寄って来ないことくらい分かっているのに、あからさまにバリアを張って、図書館で借りた本を読むふりをして、時間の経過ばかりを気にしていた。