サワの笑顔ならぼくはたくさん知っている。テストの点が悪くて落ち込んだ日の帰り道。ぼくに対して様々な陰口を叩いていたことは知っていたが、それを直接耳にしてしまった直後。ぼくが憮然とした顔をしていた休み時間。サワと一緒に過ごしていると、サワは惜しみなくぼくに笑顔を振りまいてくれた。

「モンチはモンチだろ。お前はそのままでいいんだよ」

 サワの言葉が胸の中で溢れ出した。

 おはよ。どうした? 眠そうな顔して。落ち込むなんてお前らしくないだろ? 安心しろ。俺はいつもお前のそばにいてやるよ。