ぼくの期待と希望はことごとく打ち砕かれ、そしてとうとう――卒業式前日がやってきた。帰りのホームルームが終わり、ぼくは荷物を持って廊下に出た。もうサワとの待ち合わせ場所に行くことはなくなっていた。

 悩みに悩んで、これは予行練習なんだと思うことにした。早かれ遅かれ、まもなくサワとはお別れだ。ぼくはサワのいない日々に慣れなければならない。
 
 そう割り切ったつもりなのに、運命は時として残酷だ。