でも――違った。
卒業式まであと約一週間。その日、サワはいつもの二人の待ち合わせ場所に来なかった。痺れを切らして携帯の画面を開いて時間を確認する。帰りのホームルームから30分ほど経過していた。大方の生徒たちは部活に行くか下校してしまっているはずだ。こんなことは一度たりともなかった。怪訝に思いながら、ぼくはサワの教室に顔を出した。
結論から言えば、教室にサワの姿はなかった。しびれを切らしたぼくは適当な男子生徒を捕まえ、サワのことを聞いた。知らないという答えが大半で、残りは帰ったんじゃね? とつれない返事。
卒業式まであと約一週間。その日、サワはいつもの二人の待ち合わせ場所に来なかった。痺れを切らして携帯の画面を開いて時間を確認する。帰りのホームルームから30分ほど経過していた。大方の生徒たちは部活に行くか下校してしまっているはずだ。こんなことは一度たりともなかった。怪訝に思いながら、ぼくはサワの教室に顔を出した。
結論から言えば、教室にサワの姿はなかった。しびれを切らしたぼくは適当な男子生徒を捕まえ、サワのことを聞いた。知らないという答えが大半で、残りは帰ったんじゃね? とつれない返事。