実際バレンタインの時、サワは多くのチョコを貰う。チョコ、チョコ、チョコ、そして手紙、手紙……。
 
 チョコも手紙も数をカウントするのがぼくの役目だ。集計して、その数を伝えても、サワはふぅんと言うだけで終わってしまう。張り合いのない奴。ぼくはその度に冷やかすのだが、別にカウントしろだなんて頼んでないだろ、と反撃を食らって退散するのがいつものパターン。

 そんなサワだから、月に一度は女子に体育館裏へ呼ばれ、やはり涼しい顔で教室に帰ってくる。