古い木造二階建ての小さな建物で、所々ひび割れたトタン屋根の下に店の入り口があった。入り口のすぐ隣には自動販売機。入り口を挟んだ逆側には、ガチャガチャと呼ばれる100円ないし200円を入れ、ハンドルを回すとおもちゃが出てくる機械が三つ並んでいた。

 ぼくが中学三年になった今も店は健在で、切り盛りしている吉田のお婆ちゃんも元気そうに小学生を相手に笑っているのを塾に向かう途中、何度も目撃していた。