女が突然現れて、二股が発覚。そのまま修羅場に突入。すったもんだの大乱闘の末、そんな男は熨斗をつけて、女にくれてやったんだと、そんな武勇伝がひっきりなしに彼女の口から飛び出してくる。

 その間、わたしの聞き役に徹する。いや、厳密には聞き役に徹しているというより、わたしごとき女子力の低い人間には、言葉を差し挟む余地が見当たらないのだ。

 それでもアクビの武勇伝は聞き飽きない。度はどんな話が聞けるだろうかと、ニヤニヤしながら、わたしはメールの画面を閉じた。