この作品はぼくとわたしのパートが交互に続き、途中で同一人物だと分かるという展開です。


 人見知りのぼくが人気者のサワに話しかけられ救われ、サワに憧れ、男の子の格好をする。
 中学三年、ぼくが美人の伊藤由麻のことが気になるとサワに告白し、サワを動揺させる。
 中学卒業直前にサワが下校する前の待ち合わせ場所に来なくなる。
 卒業式前日、サワが由麻と一緒に下校するところを見つける。
 その晩、サワとの思い出を見つけたくて近所の駄菓子屋に行く。落ちているジッポライターを見つけ、火をつける。火の消し方が分からず、ジッポを路上に放置して逃げる。その晩、駄菓子屋が火事になり、家主である吉田のお婆ちゃんが亡くなる。


 自分を責めるも警察にも行けず、高校に入ると今までの自分を捨てるため、女の子の格好をするようになる。自分のことをぼくからわたしと呼ぶようになる。
 由麻(アクビ)と同じ高校になり、話しかけられたことをきっかけに友達となり、大学生になっても交流は続く。
 ある時、由麻はサワ(谷口)と会い、わたしをサワに会わせることを約束する。
 わたしはサワに会い、わたしが火事の犯人ではないことを聞かされる。 ※サワがライターの火を消していた。
 罪の意識から解放されたわたしはサワに告白するも断られる。 ※サワはゲイだった。
 サワと別れた後、由麻と会う。由麻もまたサワがゲイだと知っていた。わたしがサワにフラレ、踏ん切りがつくと思い、わたしをサワに会わせた。

 最後に由麻がわたしに告白する。由麻もまた同性への愛に目覚めはじめていた。



ぼく=わたし(吉田紋智・モンチ)
サワ=谷口健介
伊藤由麻=アクビ