「谷口君、なかなかはっきり理由を言わなくて、しびれを切らして、男だろ、ハッキリしろよ!! って胸ぐらつかんじゃった」

 テヘッと舌を出す由麻は間違いなく小悪魔だ。

「で、白状したの。俺、実はゲイなんだよって」

 ふと、そこで疑問に思った。

「そのこと知ってて、どうしてわたしに会いに行かせたの?」

 由麻は半ば強引にサワの連絡先をわたしに渡してきた。会いに行っているかと途中でメールまで送ってきた始末だ。