「で、フラレちゃったんだ」
「うっさい」
「まぁ、気にすることないよ」

 あまりに軽い口調にわたしは由麻を睨みつける。美人の余裕か。男くらい簡単に落とせるってか。

 でも、違った。思いもよらない言葉が由麻の口から飛び出した。

「私もフラレてるしね」
「え?」 
「所詮、私ら女には谷口君は落とせないってことなんだからさ」

 女という単語にピンときた。