「言われたんだ?」
「さぁ……」

 少しイライラして言葉を濁す。

 この状況がキツい。うっかりサワの秘密をバラそうものなら、やはりサワに申し訳ない。

「で、告白したの?」

 ドキリとする。昼間もそうだが、今日のアクビは何だか鋭い。

 サワに可愛いと言われ、火事もわたしが原因ではないと知った時、その解放感も手伝ってか、サワに彼女にしてほしいと言ってしまった。髪の毛を切ってもいいとも言った。男性ホルモンを注射したらと考えたことはさすがに誰にも言えないが。