聞けば、もう少ししたら一緒に暮らすのだという。

 ストンと何がが胸の中に落ちた。これが腑に落ちるということなんだとわたしは気づいた。

 それ以上わたしは何も言わなかった。納得した、というより、抵抗するのを諦めたといった方が合っていると思う。

 結局、駅前で立ち話をしただけで、サワとは別れた。ファミレスも喫茶店も入らなかった。

「お幸せに」

 最後の最後、ガッチリ握手をした。本当なら中学卒業の日になし得なかった挨拶だ。ようやく終止符を打つことができた。