「いやぁ……無理だろう……」
「何で?」

 ここまでくると自分でも分からないくらいに必死だった。

「実はさ……俺、恋人いるんだよね?」
「恋人? ま、まさか彼女?」
「だーかーら、その観点が既にズレてる。性別でいうならば相手は男だよ。彼氏とか彼女とかそういうくくりができないから恋人としか言わないけど」