高校までは、そんな辱めに耐えに耐え抜き、大学に入ってから、原型をとどめないくらいにゴテゴテに爪を飾り始めた。箍《たが》が外れたというべきか、素の自分を隠すことに拍車がかかったというべきか。

 とにかく髪に色を入れ、ストパーも当て、雑誌に載っているような服もあれこれ買うようになって、金欠に陥った。

 幸いにもわたしは実家暮らしであり、食べるのに困ることはない。しかし、どうやっても月々にもらっているお小遣いだけでは足らず、でも、わたし自身を隠すことをやめることもできず、困ったわたしはバイトを始めることにした。