テーブルの上に並んでいるのは、花穂と来るときみたいに可愛らしいパフェやらフロートが並んでいるわけではなく、アイスコーヒーがふたつだ。


「……思い出そうと、して?」

「バーベキューのときのことはわかんねぇけどさ、少なくとも水族館のときのは明らかに思い出そうとしたんじゃねぇの? 流れ的に。ま、俺は将太の話してくれた内容からしか判断することはできねぇけど」


 園田先輩が連絡をくれたのは、昨日の夜だった。

 水族館に行った日からすでに数日が経つというのに、未だに花穂の問題を解決できずにいたときのことだ。


 これ以上園田先輩に迷惑をかけるべきじゃないのではないかと思って、最初こそ頼っていいのか迷った。

 だけど、中途半端に首を突っ込ませておいてそれはないだろうという園田先輩の強引さと、僕自身の弱さがあいまって、今日こうして面と向かって相談に乗ってもらうことになったのだ。

 そんな経緯があったが、こうして親身になって話を聞いて、僕とは違う角度から意見をくれる園田先輩を見てると、相談に乗ってもらうことにして良かったんだと思う。


 水族館でのストラップのときは、花穂は僕のスマホの色に戸惑いを示していた。

 今まで全くもって気にも留めていなかったのに、だ。