母親の強いバックアップがあるから、それなりに美味しいものにはなっていることはわかっているが、その言葉にホッと肩の力が抜ける。

 兄ちゃんのときはここで昼を食べたあと、残りの館内をまわってお土産にお揃いのストラップを買って帰ったらしい。

 買った直後にお互いにスマホにつけたそうだ。

 どうやら兄ちゃんのスマホについていたイルカのストラップが、そうだったようだ。

 そんな感じに花穂の要望通りに、兄ちゃんの日記を頼りに可能な限り二人の初デートを再現していった。

 全てを終えて、出口付近にあったお土産物屋さんで、兄ちゃんが花穂に買ったのと同じイルカのストラップを購入した。


「リョウちゃんとお揃いだなんて、嬉しい」

 そして、水族館の出口付近の休憩スペースで僕と花穂のスマホにそれぞれストラップをつけて、素直な気持ちを隠すことなく告げてくる花穂に対して、嬉しいような申し訳ないような気持ちになる。


「そうだな。僕も、嬉しいよ」

 あくまでこれは“兄ちゃん”に向けて言われている言葉であって、僕自身ではない。

 それがわかっているのに、やっぱり完全には切り離して考えられない僕の頭はお花畑なのだろうかと罵倒したくなるくらいに、花穂の言葉に胸が高鳴る。


「……リョウちゃん、本当のこと教えて?」