夏の大三角は、こと座のベガとはくちょう座のデネブとわし座のアルタイルという、他と比べても一際明るい三つの一等星を結んでできる三角のことだ。
ベガだと思われる星は、そこから右下を結ぶと、こと座の平行四辺形の形ができている。
デネブだと思われる星は、そこを頭にしてちゃんと鳥のような形になっている。
これは、僕が夏の大三角の見つけ方で学んだ知識だ。
わし座のアルタイルは……一番わかりにくいけれど三角形の形と明るい星の感じから、きっと僕が思っている星で間違いない。
「花穂、東の空に──」
「あ、流れ星っ!」
だけど僕の声は、別の方向を向いていたらしい花穂の声に掻き消される。
「……え?」
そのまま目を閉じて、花穂は両手を組んでお願い事をはじめてしまった。
彼女の向いていた方向の空を見てみる。けれど、すでに星が流れていってしまった空しか見えない。
お願い事が終わったのか、少しして目を開けた花穂は、愛らしい笑みをこちらに向ける。
「リョウちゃんは、ちゃんとお願い事できた?」
「あ、僕は、その……」
「もしかして見逃しちゃった?」
「ごめん……」
「そっか、残念。でも、流星群っていうくらいだし、また流れる思うよ。って言ってるそばからリョウちゃんの後ろ、流れ星!」
花穂は、また慌てて両手を組む。
流れ星って言ってる間に、流れ星消えてるって。
ベガだと思われる星は、そこから右下を結ぶと、こと座の平行四辺形の形ができている。
デネブだと思われる星は、そこを頭にしてちゃんと鳥のような形になっている。
これは、僕が夏の大三角の見つけ方で学んだ知識だ。
わし座のアルタイルは……一番わかりにくいけれど三角形の形と明るい星の感じから、きっと僕が思っている星で間違いない。
「花穂、東の空に──」
「あ、流れ星っ!」
だけど僕の声は、別の方向を向いていたらしい花穂の声に掻き消される。
「……え?」
そのまま目を閉じて、花穂は両手を組んでお願い事をはじめてしまった。
彼女の向いていた方向の空を見てみる。けれど、すでに星が流れていってしまった空しか見えない。
お願い事が終わったのか、少しして目を開けた花穂は、愛らしい笑みをこちらに向ける。
「リョウちゃんは、ちゃんとお願い事できた?」
「あ、僕は、その……」
「もしかして見逃しちゃった?」
「ごめん……」
「そっか、残念。でも、流星群っていうくらいだし、また流れる思うよ。って言ってるそばからリョウちゃんの後ろ、流れ星!」
花穂は、また慌てて両手を組む。
流れ星って言ってる間に、流れ星消えてるって。