昨日のことに思いを馳せてあれこれ考える僕を見てなのか、園田先輩が小さくため息を吐き出した。


「こっちは協力しようと全力なのにさ、お前らは揃って秘密主義なんだな」

「え……?」


 見ると、園田先輩からはさっきのような茶化すような空気は全くもって感じられない。


「あいつ……涼太もさ、自分で抱え込むタイプだったからさ」

 言われてみたら、少なくとも兄ちゃんはそういう人だったかもしれない。


「まぁあいつの場合器用だったからさ、それだけのキャパや能力もあったし、それでも何とかなったんだと思う。だけど、お前は違うだろ?」

「う……っ」


 自分で自覚はしていたけれど、こう他人に指摘されると、どれだけ自分が兄ちゃんより劣っているかを示されているみたいで辛い。


「このままじゃお前、潰れるぞ? こっちは与えられる情報は全て隠さずに打ち明けている。少なくとも俺は、涼太のためにも協力したいと思ってる。どうしたら俺は、お前に信用してもらえるんだよ」


 園田先輩や天文学部は、今回の件で充分過ぎるくらい僕たちにしてくれているのに、これ以上頼るなんてとも思う。

 だけど、怖いくらいに真剣で真っ直ぐな瞳は、きっとそんな僕の遠慮なんて気にしていないのだろう。