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 高原までは、バスで約三時間。

 同じ県内とはいえ、山道を登ることもあって距離もあるから時間が結構かかるんだとリョウちゃんが教えてくれた。

 目的地に着くと一旦宿泊施設に荷物を置いて、私たちは宿泊施設の敷地内にある小ぢんまりしたバーベキュー場の前に集まることになっていた。


「じゃあこれから、二つのグループに分かれてバーベキューをします!」


 天文学部の部長の園田くんにより、二つのグループのメンバーが読み上げられる。


 今回の合宿の参加者は私を含めても十人だったらしく、ちょうど五人ずつわかれることになった。

 私は運良く、リョウちゃんと同じグループになれた。


 去年も天文学部の合宿に参加していた私は、きっとこの天文学部のメンバーの人たちを知っているはずなのだろう。だけどそれがわからないから、リョウちゃんが同じグループにいてくれて心強い。

 リョウちゃんの他は、この前リョウちゃんと話していた部長の園田くんも同じグループだった。


「涼太、それじゃあスカスカじゃん。もっと具材詰めて」

「す、すみません……」

 園田くんにそう返すリョウちゃんに、園田くんがバシッとリョウちゃんの背中を叩く。


「何改まってんだよ~」

「あ、ごめん。つい……」