「花穂、ちょっと部活のことで話があるみたいだから、待ってて!」
僕は花穂に見えないように園田先輩に向かってシーっと人さし指を自身の口の前に立てると、花穂にそう言って、声が聞こえない程度に花穂から少し離れる。
「すみません。驚かせてしまって」
園田先輩とは、実は顔見知りだ。
僕も入学当初、天文学部に入らないかと兄ちゃんに何度も天文学部の活動場所の地学室によく連れて行かれてたからだ。
そうされておきながら僕は化学部に入ることにしたのだが、それは少しでも兄ちゃんから自立しようと思ったからだ。
最後に会って会話したのは、兄ちゃんの告別式のときだ。
深々と頭を下げる僕を、園田先輩は不審なものを見るような目で見ている。
「……幽霊? じゃねぇよな、触れたし。ってことは、え? ニセモノ?」
園田先輩は、少し混乱しているようだ。
僕は申し訳なく思いながら、髪の雰囲気を一瞬だけ将太のものに変えて見せる。
「……まさか、弟の将太? え、何で? さっきの、涼太の彼女だよな?」
とりあえず僕の正体が柏木将太であることはわかってもらったものの、どういうこと?とやっぱり混乱したままの園田先輩を信じて、僕は一から説明した。
僕は花穂に見えないように園田先輩に向かってシーっと人さし指を自身の口の前に立てると、花穂にそう言って、声が聞こえない程度に花穂から少し離れる。
「すみません。驚かせてしまって」
園田先輩とは、実は顔見知りだ。
僕も入学当初、天文学部に入らないかと兄ちゃんに何度も天文学部の活動場所の地学室によく連れて行かれてたからだ。
そうされておきながら僕は化学部に入ることにしたのだが、それは少しでも兄ちゃんから自立しようと思ったからだ。
最後に会って会話したのは、兄ちゃんの告別式のときだ。
深々と頭を下げる僕を、園田先輩は不審なものを見るような目で見ている。
「……幽霊? じゃねぇよな、触れたし。ってことは、え? ニセモノ?」
園田先輩は、少し混乱しているようだ。
僕は申し訳なく思いながら、髪の雰囲気を一瞬だけ将太のものに変えて見せる。
「……まさか、弟の将太? え、何で? さっきの、涼太の彼女だよな?」
とりあえず僕の正体が柏木将太であることはわかってもらったものの、どういうこと?とやっぱり混乱したままの園田先輩を信じて、僕は一から説明した。