恐らく花穂は、いつもと同じように、自分の限界を越えたために眠っているだけなのだと思われる。
花穂の精神的なものからきているみたいだから、身体自体には問題はないのだろう。
だけど、やっぱり目の前でこう突然意識を手放されるのは、心配する。
そのとき、僕は荷物を視聴覚室に忘れてきてしまっていることに気づいた。
「あ、僕、視聴覚室に置いたままになっている荷物を取ってきます。ちょっと花穂のこと見ててもらってもいいですか?」
「ああ。それなら俺が取ってくるよ。将太が梶原さんのそばにいてあげた方がいいだろ」
「そうかもしれないけど、植田先輩にも挨拶しとかないと……」
「そんなのいいって。俺から言っておくから。今、梶原さんのそばにいるべきなのは、俺じゃなくて将太。アンダースタンド?」
最後にものすごい片仮名英語で園田先輩は僕に言うと、園田先輩は僕の代わりに荷物を取りに行ってくれた。
改めて花穂の寝顔を見る。
悲しげで、それを裏付けるように目尻には涙の跡があって、思わず目をそらしたくなるくらいに切なくなった。
花穂は、目を覚ましたらまた僕のことを忘れているのだろうか。それとも──。
僕はなんとも言えない気持ちで、ただ時間が過ぎるのを待った。
花穂の精神的なものからきているみたいだから、身体自体には問題はないのだろう。
だけど、やっぱり目の前でこう突然意識を手放されるのは、心配する。
そのとき、僕は荷物を視聴覚室に忘れてきてしまっていることに気づいた。
「あ、僕、視聴覚室に置いたままになっている荷物を取ってきます。ちょっと花穂のこと見ててもらってもいいですか?」
「ああ。それなら俺が取ってくるよ。将太が梶原さんのそばにいてあげた方がいいだろ」
「そうかもしれないけど、植田先輩にも挨拶しとかないと……」
「そんなのいいって。俺から言っておくから。今、梶原さんのそばにいるべきなのは、俺じゃなくて将太。アンダースタンド?」
最後にものすごい片仮名英語で園田先輩は僕に言うと、園田先輩は僕の代わりに荷物を取りに行ってくれた。
改めて花穂の寝顔を見る。
悲しげで、それを裏付けるように目尻には涙の跡があって、思わず目をそらしたくなるくらいに切なくなった。
花穂は、目を覚ましたらまた僕のことを忘れているのだろうか。それとも──。
僕はなんとも言えない気持ちで、ただ時間が過ぎるのを待った。