*
「ごめん。余計なことした……」
保健室のベッドに横たわる花穂を見て、園田先輩が頭を垂れる。
「いえ。あれはきっと兄ちゃんが花穂に見てほしかったものだったと思うから。VLについて調べていただいて、本当にありがとうございます」
VL企画とは、まだ表立って企画が運営されていたわけではないが、放送部が水面下で練っていた全校生徒向けの企画だったらしい。
今の時代、面と向かって伝えづらい内容は、つい携帯による文面でのやりとりに頼りがちになってしまう。だけど、そうじゃなくて自分の声や言葉で伝えられるようにという試みらしい。
放送部の部長と今年初めて同じクラスになった兄ちゃんは、企画を本格的に運営するのに先駆けて、VL企画を実際に体験した上での宣伝に協力するように頼まれていたんだとか。
それを聞いて、兄ちゃんの人望の厚さや、快く引き受ける懐の広さを改めて感じる。
「梶原さん、大丈夫かな……」
「多分、また眠っているだけだと思うけど」
「ごめん。余計なことした……」
保健室のベッドに横たわる花穂を見て、園田先輩が頭を垂れる。
「いえ。あれはきっと兄ちゃんが花穂に見てほしかったものだったと思うから。VLについて調べていただいて、本当にありがとうございます」
VL企画とは、まだ表立って企画が運営されていたわけではないが、放送部が水面下で練っていた全校生徒向けの企画だったらしい。
今の時代、面と向かって伝えづらい内容は、つい携帯による文面でのやりとりに頼りがちになってしまう。だけど、そうじゃなくて自分の声や言葉で伝えられるようにという試みらしい。
放送部の部長と今年初めて同じクラスになった兄ちゃんは、企画を本格的に運営するのに先駆けて、VL企画を実際に体験した上での宣伝に協力するように頼まれていたんだとか。
それを聞いて、兄ちゃんの人望の厚さや、快く引き受ける懐の広さを改めて感じる。
「梶原さん、大丈夫かな……」
「多分、また眠っているだけだと思うけど」