「放送部、二年の植田です」
黒縁メガネをかけた男子生徒は、園田先輩と対照的にすごく真面目な印象を抱く。
これは見た目だけで判断した感想であって、茶髪でイケイケな見た目の園田先輩も根は真面目なのだが。
「あ、二年の柏木と梶原です」
僕たちと接触を持つ前に園田先輩が植田先輩に何かしら話していてくれたのだろう。
植田先輩は、事故で亡くなったはずの柏木涼太の姿を前にしても、特別驚くような様子はなかった。
「よかったら、そちらに座ってください」
植田先輩が手で指し示す方を見やると、そこにはスクリーンとその前に三つ並べられたパイプ椅子がある。
これから、一体何が始まるというのだろう。
「あの、見せたいもの、というのは……」
イマイチ何が起こっているのかつかめない僕が園田先輩の方を見ると、園田先輩は何でもないかのように笑いながら口を開く。
「何だよ、お前。忘れたのか?」
「……え?」
「VL企画だよ。梶原さんのために参加してたんだろ?」
VL企画……?
恐らくこれから、生徒手帳の花穂の誕生日の欄に書いてあったVLのことがわかるというのだろう。
黒縁メガネをかけた男子生徒は、園田先輩と対照的にすごく真面目な印象を抱く。
これは見た目だけで判断した感想であって、茶髪でイケイケな見た目の園田先輩も根は真面目なのだが。
「あ、二年の柏木と梶原です」
僕たちと接触を持つ前に園田先輩が植田先輩に何かしら話していてくれたのだろう。
植田先輩は、事故で亡くなったはずの柏木涼太の姿を前にしても、特別驚くような様子はなかった。
「よかったら、そちらに座ってください」
植田先輩が手で指し示す方を見やると、そこにはスクリーンとその前に三つ並べられたパイプ椅子がある。
これから、一体何が始まるというのだろう。
「あの、見せたいもの、というのは……」
イマイチ何が起こっているのかつかめない僕が園田先輩の方を見ると、園田先輩は何でもないかのように笑いながら口を開く。
「何だよ、お前。忘れたのか?」
「……え?」
「VL企画だよ。梶原さんのために参加してたんだろ?」
VL企画……?
恐らくこれから、生徒手帳の花穂の誕生日の欄に書いてあったVLのことがわかるというのだろう。