VLのことも気になるし、きっと僕が学校に行けば園田先輩は僕にVLのことについて教えてくれるのだろう。
でも、どうしてそれに花穂まで必要なのだろう?
そう考えているうちに、僕の手の中で再びスマホが震える。
『梶原さんに見せたいものがある。できれば、今日』
花穂に見せたいもの……?
『見せたいものって何ですか?』
全く検討がつかなくて、最初の今から学校に出てこれるかという問いにこたえるよりも先にそう返していた。
『涼太から梶原さんへの最後のバースデープレゼント』
兄ちゃんから花穂への、最後のバースデープレゼント……。
それがVLとどう関係があるのかわからない。
だけとそんな風に言われると、花穂を連れていかなければならないような気にさせられる。
「花穂。天文学部の園田から見せたいものがあるから可能ならこれから学校に出てきてほしいって連絡が来たんだけど、どうする?」
とはいえ無理強いはできない。
さっきだって花穂は、今まで気づかなかった僕の演じる柏木涼太に違和感を抱いて、また倒れそうになったのだから。
「え? 今から?」
「……うん」
「見せたいものって何だろう?」
「それは、僕にも……」
誕生日ということもあるのだろう。
花穂は唐突な話にも関わらず、何かを察してルンルンと声を弾ませていた。
結局花穂はその後二つ返事で園田先輩の申し出を承諾した。僕は花穂と少し西に太陽が傾きかけた空の下、学校へと向かうことになったのだった。
でも、どうしてそれに花穂まで必要なのだろう?
そう考えているうちに、僕の手の中で再びスマホが震える。
『梶原さんに見せたいものがある。できれば、今日』
花穂に見せたいもの……?
『見せたいものって何ですか?』
全く検討がつかなくて、最初の今から学校に出てこれるかという問いにこたえるよりも先にそう返していた。
『涼太から梶原さんへの最後のバースデープレゼント』
兄ちゃんから花穂への、最後のバースデープレゼント……。
それがVLとどう関係があるのかわからない。
だけとそんな風に言われると、花穂を連れていかなければならないような気にさせられる。
「花穂。天文学部の園田から見せたいものがあるから可能ならこれから学校に出てきてほしいって連絡が来たんだけど、どうする?」
とはいえ無理強いはできない。
さっきだって花穂は、今まで気づかなかった僕の演じる柏木涼太に違和感を抱いて、また倒れそうになったのだから。
「え? 今から?」
「……うん」
「見せたいものって何だろう?」
「それは、僕にも……」
誕生日ということもあるのだろう。
花穂は唐突な話にも関わらず、何かを察してルンルンと声を弾ませていた。
結局花穂はその後二つ返事で園田先輩の申し出を承諾した。僕は花穂と少し西に太陽が傾きかけた空の下、学校へと向かうことになったのだった。